アコーディアゴルフの買収がロイターで7月14日に報道されました。
MBK、アコーディアゴルフ買収を計画 約1600億円で=関係筋これに関してトレードの役に立つ理論株価を計算してみたいと思います。
まず理論株価についてですが、いろいろな計算方法がありますので今回ご紹介する方法以外にもありますのでご注意ください。
記事の内容で重要なのは
買収金額は、負債と株式の合計で約1600億円になる見通し。アコーディアの時価総額は14日時点で約916億円。MBKはアコーディアの発行済み株式すべてを買い付ける予定で、完了すればアコーディア株は上場廃止になる。
という部分です。
発行済み株式をすべて買い付けるということは、今市場で出回っている株をすべて「ある値段」で買い取ってくれるということです。
そのためこの「ある値段」が1,220円(7月22日の終値)より高ければ高いほど今のうちに買っておけばかなり稼げることができます。
ここで買い取ってくれる値段を理論株価をもとに算定してみます。
理論株価の計算に必要なのは
- アコーディアゴルフ株式の流通数
- 買収金額
- 負債金額(記事を読むと株式との合計で約1600億円と記載されているため)
①ここでアコーディアゴルフ株式の流通数をIR(28年3月期決算短信)から調べると
84,739千株(うち自己株式は14,234千株)となっており(リンク先である決算短信の2ページ目より)
84,739千株-14,234千株=70,504千株
となります。
②次に買収金額ですが、こちらはニュースにあるように1,600億円となります。
③最後に負債金額ですが、この記事の負債額がなにを指しているのかが問題となります。
記事をそのまま読むと1,600億円で時価総額916億円の会社を買うということなので
差額の684億円となるのですが、会計上の負債額を意味するのであれば
考えられるのは
- 流動負債
- 負債の全額(流動負債+固定負債)
- 債務性のある負債(借入金などであって一部の引当金などの債務性がないのを除く)
アコーディアゴルフのIR(28年3月期決算短信)(18ページ目より)を読みますとそれぞれ
- 約584億円
- 約1020億円
- 約1020億円(債務性がないものが「その他」に分類されているため具体的な金額が不明なので2番と同じ)
これらの情報から理論株価を計算していきたいと思います。
①まず考えられる最大の金額は1,600億円で70,504千株を買う可能性です。
これはアコーディアゴルフを買収した時点で負債も引き継ぐことになるため、記事の「負債と株式の合計」=買収金額と仮定したものとなります。
計算すると
1,600億円÷70,504千株=2,269円
となります。
②次に記事をそのままに読んで時価総額916億円とすると
916億円÷70,504千株=1,299円
③記事にある負債の金額を流動負債の金額と仮定すると
(1,600億円-584億円)÷70,504千株=1,441円
④記事にある負債の金額を負債の全額もしくは債務性のある負債と仮定すると
(1,600億円-1,020億円)=823円
となります。
アコーディアゴルフ自体は黒字経営でありかつここ3年の株価を見ていると1,000円は超えているので④の823円で買うことは考えられません。
そのため最低でも②の1,299円になるかと思います。
さらに記事には
7月1日に提出された開示書類によると、物言う株主として著名な村上世彰氏と関係の深いファンド、レノなどは、アコーディアの株式の計18.95%保有する大株主となっている。
と村上ファンドがいますので多少買収金額を吊り上げると思います。
そう考えるとプレミアムを30%ほどと仮定して1,700円~2,000円の間で買収されるので現在の株価は割安と思います。